恋をすると女の子ってやつは、いろんなことを相手仕様にしてみたくなる。

これは高野先生を好きになって、ようやく初めて実感できたこと。


着る服とかメイクとか、或いは立ち居振る舞い言葉遣いとか。

ひょっとしたら――

飲む物や食べる物、聴く音楽に観る映画に撮る写真……もっと色々なことも。



合わせなきゃ!なんて、そんな仕方なしにじゃなくて。

相手の好みや趣味習慣に自然と合わせてみたくなる。

或いは――

気がつくといつの間にか無意識に合わせてしまっていたりして。



先生と会う時は洋服選びにだって時間がかかるし、メイクにだって慎重になる。

好感を持たれたいという気持ちがあるのは本当。

でもそれだけじゃあない。

好きな人を想ってあれこれと考え工夫するのは、それだけでも楽しいから。


けど、だからといって“片思いのときが一番楽しい”なんて……。

それはやっぱり嘘だと思う。

浮き立つ気持ちの楽しさだけで満たされる期間なんて、きっと――

そうそう長くは続かないのだから……。