准教授 高野先生のこと

先生は悪びれた様子もなく、とってもにこにこ愉快そう。

「冗談というか……まあ言葉足らずです、正確には」

そんなことを言って、自分だけ一人勝手に“うん、そうだ”と納得してるし。



そして、気を取り直したように――

「もしこれから詩織さんになにも予定がなければ、ちょっと車で遠出しませんか?」

言葉足らずの足りない部分を補完した。


もちろん、私の答えはだたひとつ。


「カラダで払わせていただきます!」

「ちょっとアブナイ会話ですよね」

「今日は日曜ですから」



お日様ニコニコの日曜の午後、ピカピカの免許証を携えて二人の休日は続く。




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