みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
序章「少女失格」
世界で一番最初に下駄箱に恋文(ラブレター)を入れたんは、いったいどこの誰なんやろ?


ウチの想像では、たぶん日本人の誰かやと思う。

外人なら家の中かて靴を履いたまま過ごすし、いちいち室内用の靴に履き変える文化は、日本くらいのもんやろうさかい。

…ってか、そもそも外人は下駄(ゲタ)なんてもん履かへんし。



いや…、

今はそないなこと、どうだってええ。



相手にしてみれば、面と向かって告白せえへんぶん、気持ち的にもラクなのかもしれへんけど、“下駄箱開けたらイキナリ恋文”っていうのんは、もらうほうは心の準備もできてへんし、ホント心臓が止まりそうになるわぁ。

「美佳(ヨシカ)、どげんしたとぉ?」

ホラ、心臓こそ止まらへんかったけど、体の動きが一時停止してしもうたせいで、各務 一葉(カガミ・カズハ)がヘンな感じで、ウチのこと見てるし。

一葉はショートカットに、毎度ボロボロのGパンをはいとるボーイッシュな女のコで、ウチと彼女は毎朝いっしょに登校しとった。



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