みかん白書~描きかけの私の描きかけの恋~
第2章「女生徒たちの肖像」
「なぁ、このあと1回家に帰ってから、いっしょにお菓子買いに行かん?」

ある日、放課後の教室で、いきなり一葉がこないなことを言い出したんは、単に彼女がジャンクフード好きやからというわけちゃう。

あした、ウチの中学では“お見知り遠足”があるさかいや。


「ええよ」

「どこに買いに行くとぉ? 美佳んお父さんのとこば、どげんね?」

「う~ん…」とウチはうなってしもうた。

もしかして、店で父に会うかもしれへんと思うと、正直ちーと気がすすまんやった。


せやけど、“遠足のお菓子は300円まで”という制限付きである以上、ドラッグストアーの安いお菓子は実に魅力的やった。

そのうえフツーに買うたかて安いのに、レジの前にもうけられた“駄菓子コーナー”なら1個10円からお菓子がGetでける。

「ま、しゃーないか……サンフラワーでええよ……」

限られた予算の中で、よりよい買い物をしようと思えば、背に腹は変えられへん。

こーいう発想、まるでどっかの主婦みたいやけど、女は生まれながらにして安売りに目がない生き物なのかもしれへんとも思う。

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