続きは、社長室で。


「っく・・っ・・・」


ひたすら私は、顔を覆って泣いていた。




あれから、一体・・・


どれだけ、時間が過ぎたのかな?



静まり返る中で街灯の光が、私を照らし出す。



無常にも、時が刻まれていくけれど。



時間が動くコトは、もうナイ・・・



私の時間を止めた、拓海以外には。


その針を動かせるヒトは、もうイナイから。




だから、この想いはもう止めるね・・・



「・・・っ――」


グラグラ揺れる視界を上げて、思いきり空を仰いだ。


無数の煌めく星屑と、鈍く光る三日月。



キラキラと輝く、恒星にはなれなかった。



この先の未来は、ブラックホールかな?




貴方のイナイ人生なんて、どうでも良い・・・





「っ…、バイ…バイ――」


流れる涙とともに、精一杯搾り出した声。



パンドラの箱には、永遠に開ける事の出来ない鍵を掛けた。




残された道へと、進むために・・・






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