冷たい空気が流れていた。
ひんやりとしたその空気に、玲子は思わずぶるっと身震いをする。

「う…ん……」

気がつくと、どこだかわからないような森の中に玲子は横たわっていた。辺りはうっそうと針葉樹林がそびえたっていて、雑草もぼうぼうに生えている。

「どこ、ここ」

きょろきょろとあたりを見回してみながら、立ち上がろうとする。そしてそのとき、自分のきている服が、制服だということに気づいた。

「…しかも、何で制服?」

ワールドヒストリの中に入ったのだとすれば、制服姿というのはおかしい。第一、希望の人物の入力や、モードセレクトがなかった。


もしかして、私、本当は寝ちゃって、ここは夢の中、とか?


ありえなくはない。ワールドヒストリに入っている時の感覚は、夢をみているときとよく似ていて、区別がつきづらい。
何より、ついさっきまで家の中の自分の部屋にいたはずだ。


なぁんだ、寝ちゃったんだ。今まで一度も、そんなことなかったのに。


ここが夢の中だとしたら、こんなところで突っ立っていても、仕方がない。

そう思ってぽてぽてと、山の中を歩き始めた。

この作品のキーワード
戦国  武将  ゲーム      時間移動  真田  伊達  前田  戦国遊戯