戦国遊戯
しばらくして、2人が帰ってきた。
が。
玲子の姿はなかったという。

「一体、どこに…」

他に、玲子の知っている場所、行きそうなところ…


あの山!


玲子を最初に発見した山。あそこに、もしかしたらいるのではないか?

「馬の用意を」

佐助にそう言って、出かける支度をした。


日はすっかりと暮れ、辺りは闇が覆い尽くしていた。正直、こんな状態で、見つけられるとは思えなかった。
しかし、なにか、例えば怪我なんかで、動けずにいるとしたら?

そう思うと、すぐにでも探し出さないと。そう思った。


馬を走らせ、しばらく行ったところで、見覚えのある場所に出た。馬から降りて、松明を灯し、辺りを確認する。
すると、1本の木に、印がついているのに気づいた。


やはり、玲子はここに―――


馬に乗り、急いで山をかけのぼった。
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