顔を洗っていると、後ろから、ため息が聞こえてきた。

「・・・なんだ、佐助」

洗う手を止めて、振り返った。

「・・・若。どうしてあの女を」

佐助の目の前に手を出し、言葉をさえぎった。

「玲子が、敵か味方か。まだどちらとも決まったわけではないし、判断するのは早計だ」

「若は、あの女のことを信じているのですか!?」

「信じている・・・か」

少し遠くを見つめながら答えた。

「俺は・・・信じたいんだ。玲子のことを」

「どうしてそこまであの女のことを!」

「・・・・・・・・」

幸村からの返答はなかった。佐助はまた、ため息をついた。

「・・・朝餉の用意はできてます。とっとと食って、あの女を連れて、行けばいいんです」

はっ、と言い捨てるように言って、その場から消えた。

「佐助・・・すまない」


顔をぷるぷるとふって、水を切った。

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