いかないで

言えなかった言葉。
心からの願い。

ずっとずっと一緒にいたい
いかないで
そばにいて

どんなに泣き喚いても、どんなにそれを望んでいても、決して成海さんの前で口にしなかった。
成海さんにとって嬉しい言葉ではなかったはずだし、どう考えても自分勝手な考えで、彼の足をひっぱるだけだった。
まして、実際そうなった時、果たしてそれで自分は本当に嬉しいのかと考えると疑問でもあった。
それでも。
頭では分かっていても、子供が駄々をこねるように、私は心の奥の奥で叫んだ。

いかないで いかないで

どんなに望んでも、決して言葉にしなかった。
それだけが、あの時の自分を褒められることだ。