小悪魔男子

クール王子と小悪魔くん



*******




「ごめんね…心配かけちゃって」


着替え終わったあたしは開口一番で謝る。


「大丈夫?さなちゃん…」


普段通りの大和が、心配そうに見つめてくる。


「うん、もう痛みはなくなったしね」


「もぉ、本当に気をつけなさいよ?」


「でも、良かったよ…。あ、ケーキも買ってきたの。
座って食べない?」


真希がホッとした顔でそう言った。


少し大きめの白い箱には、ショートケーキとチョコレートケーキが2つずつ、そしてチーズケーキが1つだけ入っていた。



「大和クンはどれがいい?」


本当の姉のように優しく尋ねる真希。


「僕、最後で大丈夫ですよ?何でも食べれますから!」


わ、可愛い…。


セクハラさえなければ、素直な良い子なんだよね…


「あら、偉いわね~!あたしなんて生クリーム使ってるのは食べらんないのよ…。

だから悪いけど、チーズケーキは頂くわね」


薫ちゃんは申し訳なさそうに皿に取る。


「気にしないで下さい!僕、本当に何でも好きなんですから…。
招待されて偉そうに言うのもナンですけど、

皆さんもお好きな物をお先にどうぞ」



そんな謙遜、どこで覚えて来るんだよ…。





< 18 / 346 >

この作品をシェア

pagetop