小悪魔男子
小悪魔、欲望と理性の間

仮面夫婦








「おはよー、さなちゃん♪」



「おはよ」



月曜日。あたしが着替えて下に降りると、大和はいつもの様にもうご飯を食べている。


「昨日はありがとね」


「ん~ん?僕も一度さなちゃんのお友達に会ってみたかったし」


ニコッと笑う大和。


良かった。あんまりうるさかったからウンザリされたのかと思ってた。


「それより、今日は早く帰ってこれるの?」


「え?…あぁ!母の日のプレゼント買うんだよね。えーっと、4時半には帰るよ」


「分かった!」


嬉しそうにしてるな~。



来週に迫った母の日。あたしと大和は毎年一緒にプレゼントを買いに行くことにしてるんだ。


「今年は何あげるの?」


「まだ決めてない★」



去年はエプロン、一昨年はハンドミキサー。


大和の選ぶものは殆どがキッチン用品だった。


多分、家事をしない母親に向けての彼なりの抗議なんだろうと思う。




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