Magic Academy ～禁書に愛された少女～

真っ白のワンピースタイプの制服に紺色のリボン。
アマダスに近づけば近づくほど、同様の格好をした人物が増えていく。

「はぁ…なんだろ、このやるせなさ」

幸い、同じ学校の出身者はいないので、自分の能力の低さを知っている人物はいない。
が。
これからの学校生活。今までとは比べ物にならないほどのハイレベルなこの学校を、このびっくりするくらい低い能力でまず1年頑張らないといけないのかと思うと、深海より深いため息が出た。

「新入生はこっちで受付してから入校してくださーい」

在校生と思われる男女数名が、門の入り口のところで受付作業を行っていた。そらは足取り重く、受付へと向かう。

「入学おめでとう！学生証を提示してくれますか？」

女生徒に言われて、胸ポケットから1枚のカードを取り出して渡す。受け取ったカードをマジックアイテムの上に置くと、カードが光り、記載のなかったクラス番号が印字された。

「はい、それじゃ入学式まで、学生証に記載されてるクラスで待機しててね。それと、これ。式が始まるまでに、必ず確認しておいてね」

そう言って、1つの小さな水晶玉を渡してきた。

「はい、ありがとうございます」

それを受け取ると、そらはカードに印字された1-Eというのを確認し、自分のクラスを目指した。


「1-E。ここだ」

上に表示されたプレートを確認し、扉を開けて中に入った。すでにほとんどの生徒が席についていて、中に入った瞬間、たくさんの生徒の視線がささる。

「ど、どうも…」

ぺこっとお辞儀をして、そそくさと教室の中に入る。あいている席は数席で、とりあえず、黒板に記載されていた席順を元に、自分の席に着席した。