おれの恋
〜第6章〜


それから、茜の卒業式に行ったり
2人で出かけたり
周りから見れば、普通のカップルらしい事はして来たつもり…


さすがに、そう言う事をする気になれなくて
キス止まり…


これでも、だいぶ進歩はあったって
自分で思ったりしけど…茜には失礼な事をしてるって罪悪感が心の何処かにある…



俺も、頑張ってるつもりなんやけど…。



頭では理解してるのに、心が着いて来てくれないんだよなー…。




例えば…家で、ご飯を食べてる時

"これ、空の好きな物や!" とか

例えば…茜と待ち合わせをして、遠くに茜が見えた時

"空とダブらせ" たり

例えば…お店を見て回ってて

茜が「これ可愛い!」って笑った顔を見た時

"空は、こっちの方が好きやろな〜" って思ったり


言い出したらキリがないくらい

俺の中には、何処を見ても《空》で一杯だった。


俺さー…、うざい位しつこいやろ?

往生際の悪さに笑えてくる。笑




そんなこんなで、気付けば…いつの間にか7月になり

蒸し暑い日の夕食時に…

オカンが嬉しそうに、不安そうに口を開いた


「光?8月に…家族の顔合わせに、みんなで会う事になったから。もちろん…空も呼ぶわよ。あの子…変な気でも起こさないか心配だわ…」



ついに…この時が来た。

空にバレる時が…。



『分かった。ってか、ほんまに約束守れや?』


「守るわよ!あんたも、しつこい子ね。はぁ〜」


ため息つきたいの、俺なんだけど?

ほんまに大丈夫なんか不安になる…。



『いつ言うん?』


「え?今週中に言うわよ。光も変な気…起こすんじゃないわよ」



変な気って何だよ?

具体的に言わな分からんがな(笑)



嘘…嫌って位に分かってるクセに…。笑







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