虹色サイダー
最初は気まぐれだった。


いや、若干の混乱があったか、気がつけば知らない土地に見たことのない女だ。


ただ目の前にいる女が面白く、からかってやっただけのこと。



では先程は。



その様なこと、考える必要もない、それよりも何故自身の身に起きたことを考えない。


ここがどこか、儂が寝ている間に何があったのか。


儂はこの国を全く知らん。


それどころか衣も食事も、建物も風呂も何もかも違って見える。



だが、それでも。



気が触れぬのはあやつがいるからか。



「いや、関係などない」



つい口に出して言うと、笑ってしまう。


 
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