虹色サイダー
「あ、あのね、鬼虎」


「思李、お前も黙ってろ」



うわずった思李の言葉も、同じように静止してやがる。


それで思李も黙るわけだし、いやそれ以前にこいつは家の中から現れたわけだし、思李とは知り合いなんだろう。



……いや、オレそんな冷静な判断下してる場合じゃねぇか。



「貴様、勝手に何をする気だ」



貴様と言われることもそうそうねぇな。



そんなちょっと浮世離れした現実に、思考は割と落ち着いている模様。



まあ、あの状況でオレを蹴り飛ばして。


怒髪天を突く、の勢いで怒って。


その台詞ってさ。



決まりじゃね?



「ちょっと待って、彼はただ」


「黙ってろ、と言った筈だ」



ふーん、なんて思って傍観していると二人がよく見える。


 
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