虹色サイダー
そして明日妙にぎくしゃくするであろう二人の姿を見たい、俺の為。



虎がまたひとくち口をつけたので、俺も『ブシドー』を煽る。



「お前を焦らす気は……」



もういい加減うじうじして泣く妹なんぞ見たくない。


決して悪くない筈の男運を無駄に消費するあの妹を。



「だから……」



二人に残された時間はそう多くはないだろう。


虎にだって一度ぐらい……



「……ダイ?」



虎のペースに合わせて飲んでいたグラスがいつのまにか軽い。


目の前で怪訝な顔を見せる虎を最後に。



ぷっつりと意識が切れた……気がした。



‐了‐


 
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