赤と黒の心理学

ハプニング

 京と妃美子がカラオケでヴィジュアル系バンドの曲をフリータイムでガンガン歌い、ゲーセンでプリクラを撮り終えたときのことだった。
「ねー君達どこ行くの?」
 今風の若い男が三人、ヘラヘラと笑いながら京と妃美子に近寄って来た。そのうちの二人は妃美子に寄っていく。
「てか君すっごい美人だね~スタイル良いし。」
「いや…あの…私彼氏いるから…。」
「いーじゃん、遊びに行くくらいさあ。」
 男二人は強引に妃美子わ誘おうとする。一方残った一人の男は京をやはり女だと思って話しかけていた。
「それメイドのコスプレ?萌えだねぇ。」
「うっせぇ、コスプレじゃなくてファッションだっつの。」
「なっ…!?」
 京の低い男の声に一人のナンパ男がたじろぐ。それと同時に
「ねえ、ちょっとくらい良いじゃ~ん。」
「ちょっと、離して!」
二人の男の方が妃美子の肩に無理矢理触れたのだった。
「んなっ!?あいつら~。」
 男達に絡まれたときから既に機嫌の悪かった京だが、ついに我慢ができなくなった。
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