僕のお姉ちゃん
狂った愛情
今までの人生で、こんなに全速力で走ったことはおそらくなかっただろう。


けれど、なぜか疲れていない。

春に対する、思いに気づいたから、だろうか……?



「こんなこと考えてる場合じゃないだろ……っ!」



ハッとして、春の家の扉を無我夢中で開け放つ。



「……?」



家の中は、驚くほどしん……っとしていた。

さっきの叫び声がうそのようだ。



「春……?」



恐る恐る、名前を呼んでも、返事はない。


明かりは家中を照らしているのに……あきらかにおかしい。



……少し躊躇いながらも、部屋に足を踏み入れた。
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