この家は閉ざされ、古い規則や習慣に囚われている。

 そして、彼がそれを言うまで不思議とも窮屈だとも思わず、当然として受け入れていた私も、また。


 白い掛け布団の上に、臙脂色のお手玉が落ちる。

 受け取ることを諦めた私は残りの二つもぼたぼたと続けて落とし、空っぽになった手の平を夫に見せた。

 二つまでなら出来るけれども、三つを同時に動かすお手玉は一回も続かない。

 最初から分かっていたのに、それでも良いからやって、と願ったのは彼だった。

「ですから、下手だと言いましたでしょう?」

 こうも盛大に笑われては、不機嫌になるのも仕方ない。

「くっ……あぁ、ごめん。大人になって少しは器用になったのかと思ってた」

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