37.3℃のキス《短》
38.?℃

「ごめん! でもあの服装じゃしんどそうだったし……澤村を運んで部屋に入ったらちょうどパジャマもあったから……」

あのあと山岸君は微妙な空気の中、お弁当を食べ切った。

なかなか神経が図太いらしい。


私は山岸君が食べてる間ずっと山岸君に背を向けて寝ていた。

ただとにかく恥ずかしくて。

それが山岸君には怒っているように見えたらしい。

さっきからずっと謝ってくれている。


「本当にごめん。でも本当に見てないし! いや、ちょっとは見ちゃったけど……でもそれもわざとじゃないんだ」

……なんて馬鹿正直なんだろう。
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