「こうきちゃんのお父さんって、なにしてるの?」

幼稚園で、同じクラスの子が、何気なく聞いてきた。幸姫は絵を書いていた手を止め、少女の方を向く。

「しらない」

少女は驚いたような顔をする。

「なんでー?そんなのおかしいよ!」


そう言い残して、少女はその場から走り去っていった。

取り残された幸姫は、ぼーっとした顔で視線を宙に漂わせる。



だって、お父さんいないんだもん。



幸姫はクレヨンをてきぱきと片付ける。




お母さんがいるからいいんだもん。
おかしくなんか、ないもん。



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