流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
通された場所は少し広めの部屋で、すき焼き鍋が2セットテーブルに設置されていた。

「すぐに用意しますからね、あぁ、飲み物はビールとお茶でよろしい?」

「お願いします」

「はいはい、ちょっと待っててな」

おばちゃんが出ていったあと、玲子が小さな声で正弘に聞いた。

「…ここってなんなんですか?」

それ以外に聞きようがなかった。通された部屋にはブラウン管のテレビにビデオデッキ。明らかに家の人が録画したのであろう手書きの番組タイトルの書かれた帯の張ってあるビデオテープ。脇に積み重ねられている文庫サイズの小説。

要するに、今、自分達のいる場所は、普通の民家なのだ。

「ちょっと変わってるでしょ?」

クスクスと笑いながら答える正弘に、困惑した顔で希美が言う。

「飲食店ってところで言えば、ちょっとどころか大分だと思いますけど」

「うちは一見さんお断りやからねぇ」

そう言って、おばちゃんが中に入ってきた。

『え゙』

思わず玲子と希美の声がハモった。

「こんなところやさかい、常連さん相手にしかしてないのよ。今日もちょうど来てはったお客さんが帰ったとこやったさかい」

「もう終わってる時間なのにすいません」

「ええんよ、毛利さんはよう来てくれはるし、いろんなお客様連れてきてくれはるから」

笑ってコップを次々に置いていく。

「そしたら具材もってきます」

ビンビールとお茶を置くと、おばちゃんはまた部屋を出ていった。
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