流れ星に願いを 〜戦国遊戯2〜
玲子の言葉に、桂は少し目付きが鋭くなる。

「こっちは無理やりにでも引っ張れますよ?」

「どうぞ?」

「なっ…!?」

玲子の態度に驚きが隠せない桂。今にも取り押さえそうな勢いの桂を、坂本が制する。

「こんな時間に押し掛けてきて、理由も言わない。しかも署まで同行しろ?非常識にも程があると思いますけど」

玲子の言葉に、桂が反発して口を開く。

「お前が市垣拓真を殺したんだろう!?」

桂の言葉に、玲子はきょとんとした顔をする。

「おい、桂」

静かな声で、坂本が桂を制止する。

が。

「誰です、それ」

殺しただの何だのと言われても、玲子にはなんのことだかさっぱりわからなかった。

「とぼけても無駄だ、現場からはお前の指紋が」

「桂!」

玲子の言葉に、桂は声を荒らげた。が、坂本にまたも叩かれる。

「…社長、です」

『え?』

隣にいた、正弘は呆然とした顔をしている。
また、桂も、思わぬ所からの言葉に、間の抜けた声を漏らしていた。

「市垣拓真は…私の勤め先の社長です」

その言葉に、一瞬、沈黙がはしった。
< 118 / 219 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop