「ねーゆきむら!かえろうよー!」

小さな体をぴょんぴょんとさせながら、一生懸命叫んでみる。
が、奥様方のパワーはすさまじくて、幸姫の声は2人には届かない。

「もー!かえるよー!」

少しずつイライラも募ってくる。

「ねーってば!」

必死で叫ぶと、一瞬声がやんだ。

「あら、幸姫ちゃん。お母さん、これなかったのよね。良かったらお家まで送ってあげましょうか」

「それならうちの方が近いんだし、私が」

「私車できてるから、一緒に車で」

矛先が一斉に幸姫に向き、思わず後ずさる。
わらわらと群がってくる大人たちが怖くて、くるりと向きを変え、幸姫は幼稚園の外へと飛び出した。

「あ、幸姫!」

あわてて幸村と佐助もその後を追った。

この作品のキーワード
戦国  時間移動  再会  親子