「幸姫、お風呂入ろうか」

玲子がそう言うと、幸姫ははい!と手を上げて部屋へと向かった。散歩を終えて、家に帰ると、玲子は冷凍してあったご飯を解凍して、昨日の晩の残りの肉じゃがとお味噌汁をすぐに作り、3人で一緒に食べた。幸姫は、幸村のひざの上に座って、一緒に食べた。玲子にお行儀が悪いと怒られたが、幸村はまぁまぁ、と玲子をなだめて、一緒に仲良く食べた。

寝室からバスタオルを2枚持ってきた。玲子がそれを見てびっくりする。

「タオルは1枚でいいよ?」

幸姫はふるふると首を横にふった。

「ゆきむらといっしょにおふろ入る」

幸姫の言葉に、玲子と幸村は顔を見合わせた。

「幸姫、ゆっきーはお客様なんだから。私と一緒に入ろう?」

玲子になだめられるが、幸姫は首をふるふると横にふった。

「幸姫、どうしてゆっきーと一緒に入りたいの?」

言われて幸姫は少し下を俯いた。少しばかりむすっとした表情で答える。

「ゆきむら、なんだかおとうさんみたいだから」

言われてはっとする玲子。幸村も少しだけ困惑した表情を浮かべていた。

「だって、かおるちゃんいつも言ってたもん。パパがいっしょにおふろに入ってくれるって。ゆきむら、なんだかおとうさんみたいだったもん。あったかかったんだもん」

少し泣きそうな顔をする幸姫に、幸村はぽんっと頭に手を置いた。

「幸姫、一緒に風呂に入るか」

言われて幸姫はうん!と明るい笑顔で答えた。玲子はうーん、と唸る。

「俺なら大丈夫だよ、玲子」

幸村の言葉に、玲子は少しだけ苦笑いした。

「ありがとう、ゆっきー。でも…狭いけど、私も一緒に入ってもいいかな?」

ふぅ、と息をつくと、その言葉に幸村は目を丸くした。幸姫はわぁい!とおおはしゃぎする。

「し、しかしそれは…その…」

顔を真っ赤にする幸村に、玲子は少しだけ苦笑いした。

「大丈夫だから。ね?」

そう言って、幸村と幸姫をお風呂場へと連れて行った。

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