陽が落ち、辺りに鈴虫の鳴く声が小さく鳴り渡っていた。
真っ暗な部屋の中で、小さな2人の少女が蹲り、泣いていた。

「こんなところで何をしているの」

びくっと2人の肩が震えた。
そっと幸姫が顔をあげると、そこには見た覚えのある顔があった。

「あ…」

そこにいたのは暁だった。
なぜだかわからないが、幸姫は少しほっとした顔をする。そんな幸姫の様子を感じ取ったのか、亜姫も顔をあげた。

「逃げたって聞いたから、君たちを探してたんだ」

そう言いながら、暁は幸姫達に近づく。亜姫はびくっとして、幸姫にしがみついた。

「…れいちゃんに会いたい。おうちにかえりたい」

目に涙をためながら幸姫が呟いた。亜姫もぐすっと泣きそうになるのを堪えながら暁を見つめた。

「もう少しだけ、我慢してもらえるかな?」

暁が少し困ったような表情を浮かべながら言うと、2人はまた小さく泣き出した。

「何をしているの、咲庵」

入口の方から女性の声が聞こえてきた。だが、玲子の声ではない。2人はぴたりと泣きやんだ。

「殿がお待ちよ。急ぎなさい」

女性はそう言うと、そのままどこかへ消えていった。

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