美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ！

●第二章 Do you love me?

白バク、それも大食いの

第２章
　～Do you love me?～

第１節
　～白バク、
　　　それも大喰いの～


　……！？

　ここ…どこ？


　ここは、今で言うメキシコ…。
　厳密にいえば、アステカ文明の王都、ティノチティトランから５０キロの高野です。

　……もちろん、夢の主、藤間ユイは、そんな事など説明されても分かりません。

　ただ彼女はこの夢が以前の夢と類似した“リアル”を有している事を即断しました。


　夢…この夢…！

　ユイは怯え、悪夢の北海に溺れもがくように、
　美幸！美幸、美幸！
　と、無意識に叫んでいました。


　しかしその夜、世界に“入力され”顕現化した感情は、まるで“光”のような恐ろしい足の速さで迫り来、決して少女を逃がしはしてくれないのです。
　そうです、“光”の……。

………

　闇の中の灯火は、コルテス総督の分隊が焚く野火でした。

　敗走中とはいえ装備品の利からか、敵地でありながら彼らはすっかり弛緩しています。

　ついに彼らは、誰からだったのか、日中に村を襲い略奪した干し肉や乳酒に手を伸ばし、宴を始めました。