美少女戦士 イグニス・ドラグーン・ユイ!
 お互いに涙を流しながらの、母娘の奇妙な会話は続きました。

 「クーラーつければいいでしょ? バカなこと言わないで」


 「クーラーつけてるの? まだ、六月だよ? もったいない」


 「いくらバカでも、床で寝る事はないじゃない?」
 

 「バカバカってもう…娘をそんな言う親っていますか、フツウ?」


 「私がそんな親ですが!」
 そう言って、二人は一頻り、涙のまま笑い合いました。
 
 
 ………

 「ねぇ?」

 
 「うん?」
 

 「ママ達のベッドで寝ていい? ……クーラー、もったいないからさぁ」


 「バカユイ」

 
 ―――案の定、
 裕は夜中だというのに、仕事に出る事になりました。

 そして主が出て行った後に残された、ぽっかりと空いたダブル・ベッドの左側にユイは潜り込みました。

 同じシャンプーを使っているのに、母の枕は何故だろうか、ちょっぴり良い匂いがします。

 ユイはその匂いに涙の雫達を託しました。
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