2週間前に、


入籍は済ませていたはずだった。


そして結婚式当日に、


お姉ちゃんは失踪して、


殺されてしまった。



実質夫婦としての時間はなかったのに、


戸籍上はしっかり夫婦として繋がってしまっている。



それを晴樹さんは、


水澤のご両親は、


どう思ってるんだろう。



「…心配ないよ。


…心配ない」


櫂がやっぱり自分も不安なのか、


自分に言い聞かせるように、


私に言っていた。




結局櫂は、


私を家まで送ってくれた。


そのまま駅まで歩くのかと思ったら、


私と一緒に家に入って、


私の代わりに両親に話をしてくれた。



さっきの電話の後、


少し時間が経ったこともあって、


落ち着いたというか、


茫然としたままでいた両親も、


私じゃなく、櫂が説明したことで、



「…わざわざありがとうございます…」


と言えるだけの、


常識を取り戻せたのは有難かった。



「…いずれまた警察から連絡が入って、


警察からも話を聞かれると思います。


多分うちの方も同じでしょう。


思い出せる限りのことを、答えて下さい。


…じゃないと、犯人は捕まらない」


櫂が私の両親にそう告げて、


お父さんもお母さんも、


まるで惰性のように頷いていた。



櫂を見送りに、私は外に出て、



「…じゃあな。


繭もひどい顔してる。


…今日はちゃんと寝ろよ」


少しだけ笑顔を浮かべてくれた櫂が、


本当に力強くて、


私はつい、


櫂の背中にしがみついてしまった。



…お父さん達があんなだから、


私がしっかりしないと。


今までそう思って動いて来た。