晴樹さんの行方にしたって。



櫂も含めて、


家族全員の所在が分からない。



私がそのことを問うと、



「…水澤家ではね、


晴樹さんが失踪してから、


なんとなく事情を察したらしいですね。


世間の非難を浴びる前に逃げ出した…。


何を知っていたかは知りません。


見つけ出して、


吐かせるしかありません。


だけど、『ただ、引越した』だけの家族を、


警察が捜索するわけにも行きません。


晴樹さんが姿を現さないことには、


この事件はこのまま、


迷宮入りなんですよ。


なんせ、事件に関係する全てが、


あまりに『非協力的』なんで」


清水刑事も、


お手上げというポーズを見せた。



確かに、


当事者のお姉ちゃんが殺されて、


その重要参考人の晴樹さんは失踪。



その家族の水澤家も、


所在が分からない。



銀行は体裁を保つために、


『事件』 として告訴しない。



これではどうやって、


真相を解明できるのか。



私は清水刑事を責めることも出来ずに、


黙って俯いた。



また何か分かったら、


お知らせします、と、


清水刑事は家を出て行ったけど。



次に進捗があるのが、


いつになるのか。



私は冷静に考えながら、


清水刑事を玄関まで見送った。