温かい肌を背中に感じながら目覚める。
カーテンからはまだ光は洩れていない。
ベッドサイドのテーブルに置いていた携帯を開くと午前3時45分。
帰らなきゃ…。

恭汰に愛された体はまだだるくて、そのなごりが少しだけ心を和ませる。

後ろを見ると、ぐっすりと眠っている恭汰の寝顔。
30歳になったばかりの顔には優しさよりも寂しさ、穏やかさよりも諦めがにじみ出ていて切なくなってしまう。
顔にかかっている髪をそっとかきあげてみると、少しだけ目元がぴくっと動く。疲れているのか意識は戻ってこなくて、安心している気持ちと寂しい気持ちが両方。複雑…。

「帰ります。…課長」
まだ一緒にいたい気持ちに蓋をして、温かいベッドから抜け出す。
恭汰の温かさからも…抜け出す。