恭汰の部屋を出た後、マンションの来客用駐車場に止めていた車に乗り込んで、目を閉じる。
シャワーを浴びずに帰るのは、こうしてしばらく恭汰の気配を残しておきたいから。決して自分一人のものにはなってくれない彼を一人占めしていると錯覚できる幸せを感じていたいから。

実際には無理だし、私自身も彼に全てを明け渡す事は無理だから、せめて錯覚という逃げ道で人並みの愛を感じる時間を過ごさせて。
愛するのも愛されるのも、怖いから…。