ほどよい愛
週末、完全に恭汰と離れて過ごす事も久しぶりで、寂しくないと言えば嘘になるけれど。
出勤してるとかかってきた恭汰からの電話でも『会いたい』って言いたい気持ちをぐっと我慢して
『ちゃんと食事してね』

とだけ言うにとどめて。
模型を作っている事も洩らさず。

そう。大切な小道具は秘密にしなきゃいけないから。

『早く帰ってこい』

そうつぶやいた恭汰は寂しそうで、その寂しさが、私の緊張を解きほぐす勇気になる。
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