ほどよい愛
『設計デザインコンクール

大賞
相模恭汰

未来


そうプレートに書かれている住宅模型を、速度を緩めて歩きながら、じっと見るのがこのフロアにきた時の私の習慣だ。

恭汰の作品。

彼にはあまりいい思い出じゃあない、別れた彼女を思い出す作品だけど、私と透にとっては、幸せを少し思い出せた大切な作品。

私は相変わらずの作り笑顔のまま、会議室のドアを開けて待つ恭汰の横をすり抜けた。

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