ほどよい愛
会社でキスされた事なんて初めてで、どうしていいのか分からずに固まってしまったけれど、恭汰のキスは次第に深くなっていき、ファイルを持っていない左手で私の腰を引き寄せながら、更に私の気持ちも引き寄せられる。気付けば私も同じだけの深さで恭汰に応えていた。

「恭汰…どう…したの」

わたしの問いには応えるつもりはないようで、顔を上げて私を一瞬見つめると

「男除け」

涼しげな笑いを浮かべると、右手のファイルを足下に落として私のブラウスのボタンを外しはじめた。

「え!?」

嫌だ。思わず両手でブラウスを閉じようと慌てても、恭汰の片手がわたしの両手を握るとわたしの頭の上で固定してしまう。
既にほとんどのボタンは外されていて、下着に隠された胸が露わになっていた。

「やだ…」

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