ほどよい愛
隠してた感情

予想通り、慎也の婚約者は美人だった。

残業からもうまく逃げて、懐かしい高校時代の友達と乾杯をしてからはや二時間。
お酒もいい具合に回って、ほろ酔い状態で出て来る言葉全てが懐かしく、めったに酔わない私もなんだか、その時間に酔っているみたいに気分がふんわりしている。

テーブルを6人で囲んで飲んで食べてしゃべって。
もちろん話題の中心は、来月結婚する慎也と実菜さんの事。私の前に座っている実菜さんは、みんなにからかわれたりして時々真っ赤に照れながらも、隣りに座る慎也の事を見つめる視線は幸せいっぱいで、うらやましくなる。
そんな実菜さんを見つめる慎也の顔も、ゆるみっぱなし。
そんな慎也、そんな格好いい慎也、初めて見た。
高校時代に王子だったけど、今のほうが、よっぽど王子だな。
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