6月の札幌。
仕事が無事に終わり、部屋に流れこむ風が気持ちいい。

「お疲れ様。ふたりとも急な事なのにごめんね。おかげでなんとか最初の設計通りに進めていけるわ」

結衣の笑顔で今日の仕事も終わったと一息つく。
夕べ遅くに現場に入ってから続いた打ち合わせも、今日園田慎也が加わって、無事に完結した。

普段なら金曜の夜から葵の部屋で過ごしている。
付き合いが始まってから自然に生まれた習慣が、初めて破られたな。

テーブルの上の書類を片付けていると、慎也が隣りに立ち、

「相模さん、夕べはすみませんでした」

軽く頭を下げる慎也を見ると、思わず苦笑いが浮かぶ。