ほどよい愛
「いや。送ってもらって悪かったな。普段はそんなに飲まないんだけどな。やっぱ懐かしくて飲み過ぎたのか?」

女にしてはなかなか酒に強い葵が酔っ払って部屋まで送ってもらうのは初めてで、夕べは聞いてびっくりした。

「まぁ、懐かしく楽しい酒だったんですけど、俺が相模さんとの事突っ込んで色々聞いてしまって…」

「……」

「葵の身の上とか性格もわかってるのに突っ込んでしまって。葵も飲まずにはいられなくなったみたいで。すみません」

謝る慎也にどう答えていいのか。

俺も、葵のこれまでの生い立ちをある程度は理解して付き合ってきた。


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