また恋をした、その時に。
━━━━━━━━━━━━━━━
愛があればあるほどに
溶けてなっていく、この恋。
私は十年間の間でどれだけ涙を流したのだろう───
過ごしたのは、
たった1つの季節だった。
それなのに、
彼の事をどうしてこんなに好きになったんだろう………
「ママにお手紙?誰から?」
幼い娘が見つけてくれた1枚の手紙。
一生分の愛をくれた、あなたからの手紙。
引き出しの奥底に眠らせた手紙。
「ママの大切な人からの手紙。」
「パパからの手紙?」
私は首を左右に振った。
「パパと…同じくらい大切な人からのお手紙だよ。」
だって、
“僕の気持ち、心美ちゃんに伝わったかな。”
この一行目から涙が溢れてくるから。
───────────────
【第二章 終】