蝶々結び
7月に入ると、あたしの憂鬱が少しずつ消えていった。


それは梅雨が明けたからとか、今日で終わった期末テストの手応えがあったからとかじゃなくて…


やっぱりこの間の上杉先生との一件が、あたしの心をラクにしてくれたからだと思う。


「七星〜!数学どうだった?」


「えっと、まぁまぁかな。でも手応えはあるよ!」


優子に話し掛けられて、笑顔で返した。


「イイなぁ〜!あたし、絶対に追試だよ……」


「まぁまぁ……。今日でテストも終わりなんだし、そんなに落ち込まないで!それに、来週からは夏休みだよ!」


あたしはシュンとして俯く優子を励ますように、明るく言った。


「うん、そうだよねっ♪よし、今日は遊びに行こう!」


「極端だね……」


優子の切り替えの早さに、思わずクスッと笑ってしまった。


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