ぼくの太陽 きみの星

8.二人の日々は

「37.8℃だ……」

「そう……大丈夫?」

「大丈夫。葛根湯飲んで大人しくしとくから」



長時間一糸まとわぬ姿でいたせいか。

次の朝あたしは完全に風邪を引いて、学校を休むハメになった。

10秒に1回はくしゃみしてる。



ママがひどく心配して、仕事休むって言うのを何とかなだめる。

昨夜のことがあったから、ママは二重に心配なんだ。


でも、あたしが意外にほがらかなので、とりあえずは安心したみたいだった。




ひとりで部屋で横になる。



風邪なんか引いても平気。

だって、あたしには鷹耶がいるもの。



昨夜のことを思い出すと、ひとりでに顔がにやけてきてしまう。

端から見たら、今のあたしはきっとすごくヘンな人だ。



(アイシテル)



耳元でささやいた鷹耶の声を、あたしは心の中で何度も何度も繰り返し思い出してた。


あの一言さえあれば、何も食べないでも何年でも生きられそうに思えた。
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