%コード・イエロー%

「お会計になりますね。窓口８番へお進み下さい」


私が患者さんをさばきおわると、やっと一波過ぎたわね、と言いながら、

里佳子が近づいてきた。


外来の受付は、午前中で終わる。

患者さんたちは、これから２～３時間待たされて診察するわけだけど、

受付が終われば、私たちの忙しさは格段に減る。


仕事の量が減るって意味ではないけれど、

受付をするだけで、いつまで待たせるんだ、っていう患者さんの冷たい視線を感じないですむから、

ストレスの量がまるで違う。


ま、もう少ししたら、会計にいつまで待たせるんだ、ってなるんだけどね。


つかの間の、休息。


「やっぱり、４月は忙しいよね。はやくＧＷが過ぎないかな～」


里佳子の言葉はもっともで、私はうんうんと頷く。

４月も、最終週を迎え、もうすぐＧＷに入る。


病院が、もっとも危険なこの時期を、私は毎年祈るような気持ちで過ごす。


お願いだから、早く過ぎてください、と。