准教授 高野先生の結婚
6.誰がために誓う

年明けに論文提出をひかえた12月。

私は今年も母校のクリスマス礼拝に参加すべくF女学院大学を訪れていた。

昨年は“偶然に”水原先生と寛行さんと三人で礼拝に出ることになったけれど……。

さて、今年は――


礼拝が始まる前に、寛行さんと私は水原先生の研究室にお邪魔した。

温かで穏やかな空気に満ちた水原先生の研究室。

先生は懐かしい笑顔で私たちを迎えてくださった。

「まだ時間がありますからね。皆でお茶でもいただきましょう」

寛行さんと私が心から敬愛する水原先生。

今日、私たちは先生に婚約の報告をさせていただくつもりでいた。

「僕たち、今日は折り入って先生に聞いていただきたいことがありまして……」

先生にお伝えする大役は寛行さんにお任せして、私はそれを見守る係り。

「おやおや。高野先生、そんなにあらたまって……どうされました?」

「僕と、鈴木さんのことなのですが……」

「お二人のこと、ですか???」

「はい。実は、驚かれるかと思いますが、このたび結婚することになりまして……」

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