焦れ恋オフィス

求める痛み




高橋専務と話をした後部署に戻ると、部長に呼ばれた。

複雑な笑顔を向けられて、芽依がらみの話じゃないかと察した俺の勘は、まさしくビンゴだった。

「戸部が専務を追いかけて佐伯の事を尋ねる姿を…かなりの社員が見てたんだ。

今じゃもう、戸部と佐伯は社内の話題の中心だ」

「…すみません…。周りを気にする余裕がなかったんで…」

「…まぁ、俺も驚いてるが…。
今専務から電話で、戸部が仕事に集中できなくても今日は目をつぶってやれと言われたよ」

「え?」

苦笑しながら言う部長は立ち上がり、机の上に置かれている図面ケースを俺に差し出した。
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