◇禁断恋愛◆
第二章
「好きだよ・・・・誰よりも」


小さく小さく・・・誰にも聞こえないような声でそう呟く


誰よりも、日菜が好きだ


何よりも、日菜が大事だ


なのに・・・・言葉にしちゃいけない


こんな風にたった一人呟いて、誰にも聞こえないように


俺が・・・この想いに鍵をかけておけばいいのかな


なんて・・・簡単に出来るわけない


足音が聞こえる


日菜が、上に上がってきて、自分の部屋に入る音


『・・・・っ・・・ぅ・・・』


隣の日菜の部屋からは、すすり泣く声が聞こえる


もう、無理だよ・・・・・苦しくて隣で聞いてられない


俺はたまらなくなって、ベランダに出た


空はくもっていて、少しずつ雨が降っている


俺は灰色の空を見上げた


俺の目の下のところに雨が落ちて、涙のように頬を伝った


俺は、泣けない


どんなに、辛くたって・・・日菜が泣いてるなら俺は泣かない
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