Symphony V

Scherzo -2-

村儀につれられて帰ったホテルでは、今にも泣き出しそうな顔をした巧と、ほっと、安堵するキアリーの姿があった。

何度もごめんな、と謝る巧に、唯は首をふって笑いかけた。


みんながいる。



自分の周りから、大事な人が次々といなくなる。
真実を知ることはとても怖くて、正直、辛い。

だけど、それで周りの大事な人が守れるかも知れないのなら。


今ここから、逃げちゃだめなんだ。
立ち向かわなくちゃいけないんだ。



そう、自分に何度も言い聞かせた。
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