Symphony V

Tempo I

佐藤はパトカーでサイレンを鳴らしながら、ぎりぎりの速度で高遠のところへと向かった。

「…思ってたより、スピードって出さないんですね」

唯が聞くと、佐藤はため息混じりに答える。

「あたりまえでしょう?ここで高速並みにスピードだそうもんなら、それこそ自殺願望があるとしか思えないわよ」

「確かに…」

「テレビドラマなんかの見すぎね」

くすくすと笑う佐藤に、唯は少し顔を赤くした。

「で?どうやってあいつとアポを取ったんですか?警察の要請を今までかたくなに拒んでたってのに。こんな短時間で一体どうやって」

レオンが聞くと、佐藤は少し難しい顔をした。

「あー…そこのところはちょっと、あんまり聞かないでくれるかな。思いっきり裏技使ったから…」

顔をひきつらせながら言う佐藤。
その表情を見たレオンと唯は、それ以上突っ込んで何も聞けなかった。
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