里香と先生は、少し躊躇いがちではあったが、唯の言葉を信じて、そのまま帰っていった。

「…あの2人、付き合ってたりして」

教師と生徒の禁断の愛。

なんてね。


と一人でふふっと笑いながら、人のいなくなった庭で、そのまましゃがみこんでみた。

いろいろなことが起こりすぎて、いまいち自分の中で整理ができていない。


ライブに行って、先輩と仲良くなった。
これが多分、開場してすぐ位だったから18時過ぎくらい。

終わったあと、一緒にご飯を食べに行って、レオンと知り合った。
確か携帯で時計を確認したから。
これは23時前。

私は覚えてないけど、カラオケに行って、レオンのホテルに泊まった。
カラオケに行ったのは、多分、ファミレスで1時間くらいおしゃべりしたあとだったと思うから0時~0時30分くらいだろう。
…確証はまったく無いけど。

朝起きて、レオンと一緒にご飯を食べて、うちに戻った。
これはお母さんがちょうど家を出るところだったから、家に着いたのは8時くらい。


「はぁ…なにやってんだろ、私」


そんなことをいちいち正確に思い出したところで、どうなるというんだ。
稜夜が戻ってくるわけでも、部屋が荒されなくなることも。

すでに起こってしまった出来事で、決して、無かったことにはできない。


顔をひざにうずめて、唯はまた大きく、はぁ、とため息をついた。

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