キミは許婚


「お父さんの体調より週刊誌だよ! もう取り消しはダメなの?」


「ダメだ。一般人だから目元は隠されるだろ。じゃぁ明後日また連絡する」



そう言って聖は素早く電話を切った。



「も~!! 勝手なんだから!!」



携帯を枕に向かって投げつけた。


バフンッと重たい音を立てて沈んでゆく。



「聖と結婚なんてしたら……マスコミがいっつも周りにいるのかな……」



それはすごく嫌だ。


聖がスマートにマスコミをかわす姿は想像できるけど。



……ん?


あたし今普通に「聖と結婚したら」なんて考えちゃってる!?


どうかしてるよ!!



頭が混乱したまま、パジャマに着替えてあたしは眠ることにした。
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