学び人夏週間
2日目




「ラジオ体操第一ぃ!」

軽快な音楽と共に始まる二日目の朝。

生徒たちはダルそうにラジオ体操をする。

この感じ、覚えがある。

私も中高生の頃はそうだった。

張り切って真面目にやれば、

「あいつ、何張り切っちゃってんの? ダサい」

なんて思われるし、あまりにもダルそうにしていると、

「ちゃんとやれ」

と怒られる。

真面目と不真面目。

この二つのバランスで自分のキャラやポジションが決まる、もどかしい感覚。

彼らはきっと、そんなモヤモヤした感覚の中で自分なりのバランスを探っている。

私は講師として真面目に体操をするわけだが、久しぶりにラジオ体操をやって気付いたことが二つある。

一つは自分が運動不足だということ。

身体中の筋肉が伸縮する感覚を懐かしいと感じてしまう。

自分の中で眠っていた何かが目覚めるような、爽快な気分だ。

もう一つはラジオ体操は結構な運動になるということ。

全身をくまなく、しかし無理なく動かすことができている。

血が巡っていく快感。

なるほどこれはよくできた体操だ。

日差しの強い夏の朝に、じんわりと汗をかいた。

……すでにシャワー浴びたいけど。

「合宿二日目です。今日もしっかり頑張りましょう」

朝礼台に立つ南先生の月並みな話を聞き、朝食を頂きに食堂へ。

食事を済ませると運動着から「先生スタイル」の衣類に着替え、軽く化粧直しをする。

さて、あの二人。

今日は駄々をこねずに頑張ってくれるだろうか。

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